結婚時に、外国人の彼がどんなに愛していると言っても、その愛が真実だと思ったとしても、国際結婚で、重婚やビザ目的の偽装結婚があることは確かです。
行政書士の私でさえ、かなり丁寧なヒアリングを行い二人の愛情は真実だと思っていても、後から重婚が判明してしまったケースや、ふっと外国人本人だけが本国に帰国した際に他の女性と結婚し重婚になってしまったケースに出くわしたことがあります。
彼は「日本と本国は離れているから、何をしてもバレない」と思っている節があり、日本人女性として、本当に歯がゆい思いをすることがあります。
実際には、世界はインターネットで繋がっているし、友人や知人のSNSなどから情報が必ず漏れてしまうので、いずれ日本人女性側も分かってしまいます。
重婚が判明したとき、ビザはどうなるか?
あなたと本国の妻と、どちらが先に結婚したのかによります。
(1)本国の妻と先に結婚。独身証明書を偽装して、あなたと結婚した。
先に本国の妻と結婚していれば、独身証明書が発行されることはありません。つまり、ここに明らかな書類の偽装があります。この場合は、裁判によって「婚姻を取消す」ことが可能です。
また、外国人の彼の「在留資格の不正取得罪」が成立するので、事情説明書を出入国在留管理局に提出することもできます。
(2)あなたと先に結婚。その後本国で結婚した。
あなたとの婚姻は法的に正しく成立し、その後本国で別の女性と結婚することがあります。
しかしながら、日本の法律において「重婚」は違法行為のため、日本人の配偶者等のビザの更新等はできません。
日本人の配偶者のビザは「法的に有効な婚姻であること」の要件があり、外国人が重婚した時に、あなたの婚姻も法的に有効な婚姻と判断されなくなってしまうからです。
本国の法律はどうなっているかを調べる
彼の国の法律が、重婚を認めているのか、重婚は犯罪だとしているのかにより、対処方法が異なります。(どちらも、日本法においては違法行為ですが)
ネパールは2018年8月の法改正により、明確に重婚が禁止されました。そして、現在は重婚していると知っていながら結婚した夫と妻に対し、懲役1年から5年の罰則もあります。
その為、この法律をネパール人女性に突き付けた上で、(彼女は、自分の夫が日本人女性と結婚していることを知っていた為)離婚を成立させたことがあります。
日本人女性がただ泣き寝入りをしたり、ただ我慢したりするのではなく、きちんと法的に立ち向かい、望んだ結果をもたらす努力をしていきたいと思っています。それが、外国人のこのような愛情を裏切る行為を防ぐ手段になっていくと、私は確信しています。
ただ、愛憎が複雑に絡んでいるために、色々と難しいですね。
次回は偽装結婚と外国人の失踪について、説明します。