国際離婚の手続き 未分類

日本人と外国人の国際離婚

私の国際離婚は、日本で手続きができますか?(日本人×外国人の場合)

私があなたからの相談を受けたときに、真っ先に考えるのは、「その離婚は、日本で手続きができるかどうか?」です。
もし、日本で手続きができなければ、当然のこととして、受任することができません。その場合は残念ですが、外国で離婚手続きを行うしかないとお伝えすることになります。
(外国での手続きは、その国の弁護士等が行います)

 

日本における離婚の3つの方法

協議離婚
市役所等に、離婚届を提出する方法。夫、妻の自筆による署名と、証人2名が必要です。また、子どもの親権を夫、妻のどちらにするか決めないと、受理してもらえません。

国際離婚

調停離婚
相手方の住所のある場所を管轄する家庭裁判所で、調停委員を介した話し合いにより、離婚の条件等を定めて離婚する方法。

国際調停離婚

裁判離婚
調停が不成立になった場合に、裁判により離婚する方法。

国際裁判離婚

詳細は、こちらに記載しますので、ご参照ください。

事例①

日本人妻がネパール人夫と日本で結婚。子どもは2人いて、どちらも日本国籍。どうしても夫婦喧嘩が絶えず、ネパール人夫が家を出ていくと言った。離婚届の署名欄をネパール人夫に書かせて、日本の役所に提出してもいいか? また、子の養育費ももらいたい。

☑ 夫はまだ日本に在留していて、住民票又は居所(住んでいる場所)が日本にある
☑ 離婚すること、子の親権については、夫婦間で合意している

協議離婚⇒できる 
離婚届を日本の市役所等で出すことができます。
養育費等の取り決めは、別途離婚協議書で可能です。養育費等の支払いのために、ネパール人夫が今後も日本に在留することを望むならば、在留資格についても検討しながら、タイミングを考えて行うことになります。

調停離婚⇒できる
離婚するか否か、子の親権をどちらにするか、養育費の金額などで、夫婦間に激しい争いがある場合は、調停で離婚をした方がいいです。特に、全く話し合いにならずに暴力や暴言等がある場合や、外国人が本国に絶対に帰りたくないと強く主張する場合に、日本人との離婚に激しく拒絶することがあります。

裁判離婚⇒できる
調停の話し合いで解決しなければ、裁判で離婚します。

 

事例②

フィリピン人妻が日本人夫Aとフィリピンで婚姻。その後、フィリピン人妻は日本人夫Aと離婚し、別の日本人男性Bと結婚したい。

☑ フィリピン妻は日本に在留している
☑ すでに日本人夫Aと長く別居状態であり、在留状況は良くない。

協議離婚⇒できなくはないけれど・・・
確実に次の在留資格が取れるときは、市役所等で離婚届を提出しても構いません。ただし、もし在留状況が悪く、不許可で一度フィリピンに帰国する可能性があるならば、協議離婚はしない方がいいと思います。
フィリピン帰国時にフィリピンでの離婚裁判が必要になり、裁判中であると書かれた書類がないと、(特に若い女性は)フィリピンから出国できなくなります。(フィリピンは非常に特殊な国です)

調停離婚⇒望ましい。
フィリピンは、「(日本の)裁判の承認手続き」があります。これを行うと、フィリピン側で裁判離婚が必要なくなります。フィリピンでの裁判は非常に大変なので、調停の方がいいかなと思います。

 

事例③

日本人女性がパキスタン人男性と日本で結婚。彼がパキスタンに帰ったまま、一切連絡が取れなくなった。どうやら、現地に別のパキスタン人妻もいるらしい。日本で離婚手続きをしたいのだけど、どうしたらいいか?

☑ 夫婦としての「最後の」住居地は日本。
☑ パキスタンの住所は知らない。
☑ 離婚届をパキスタンに送っても、返信がない。

協議離婚⇒できない
離婚届にサインしてもらえない以上、協議離婚は出来ません。

調停離婚⇒できない
彼が日本に住んでいないので、調停を申し立てることができません。

裁判離婚⇒でき
裁判による離婚は可能です。夫婦としての「最後の住居地」が日本だからです。
パキスタンの日本大使館に公示送達を行い、それでも全く彼から連絡がなければ、裁判で離婚が成立します。とにかく時間がかかりますが・・・。

 

事例④

アメリカ人の夫とアメリカで結婚し、5年以上アメリカに在住。今回、日本に子どもを連れて帰ってきているのだけど、このまま日本で離婚手続きを行いたい。

☑ 夫婦一緒に住んでいた「最後の」居住地は、アメリカである
☑ 夫は行方不明ではない

協議離婚⇒できるけれど・・・
アメリカに離婚届を郵送し、サインしてから日本に戻してもらえるならば、離婚できます。まだ単独親権の日本において、共同親権を主張するアメリカ人夫と、話し合いがまとまらない場合も多いと思います。ハーグ条約等の関係もあり、離婚について交渉が必要ですので、この段階から渉外業務ができる弁護士さんに依頼した方がいいと思います。

調停離婚⇒できない

裁判離婚⇒できない
彼が日本に在留していなくて、かつ、最後の住居地がアメリカです。この場合は、日本にいてアメリカに精通する代理人弁護士さんを通じて、アメリカの裁判所で離婚手続きをすることになります。

 

まとめ

日本人が当事者の一方になるので、協議離婚は離婚届に外国人の署名があれば提出できます。(その後の手続きが複雑になるかどうかは、相手の国の事情によります)

また、調停や裁判で離婚をするときは、申し立てる相手方の住所又は居所、もしくは「最後の住居地」により、裁判管轄(どの裁判所に申し立てるか)を決めます。そのため、裁判管轄が日本ではないために、家庭裁判所の申立てが出来ない場合や、裁判管轄が日本に会ったとしても、相手方の現在の住所が日本にないために、東京の家庭裁判所を指定される場合があります。

詳しくは個々の事情を把握した後で調べますので、お問い合わせください。

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