国際離婚における準拠法について
国際離婚をするときに、日本の法律によって離婚することができるのか、彼の国の法律によって、離婚することになるのかは、「法の適応に関する通則法」という日本の法律で、規定されています。
この、どちらの国の法律が適用されるかを決めることを、準拠法(じゅんきょほう)といいます。
準拠法により、3つのパターンに分かれています。
- 夫婦の国籍が同じ場合
- 夫婦の国籍が違うが、同じ国に住んでいる場合
- 夫婦の国籍が違い、別の国に分かれて住んでいる場合
このホームページは、日本人と外国人の離婚を取り扱うため、夫婦の一方が日本人であることを前提として、説明しますね。
夫婦の国籍が同じ場合
日本人×日本人→日本法(当然ですね)
夫婦が同じ国籍でなくても、夫婦で同じ国に住んでいる場合
日本人×アメリカ人(常居所は夫婦とも日本)→日本法
日本人×ネパール人(常居所は夫婦でネパール)→ネパール法
夫婦が同じ国籍ではなく、かつ別の国に住んでいる場合
日本人(常居所は日本)×アメリカ人(常居所はアメリカ)→日本法
日本人(常居所は日本)×ネパール人(常居所はネパール)→日本法
夫婦で別の国に住んでいる場合、通則法27条但し書きにより、夫婦の一方が日本人で、常居所が日本にあれば日本法が適応されます。
常居所とは、なんですか?何年くらい住めば、常居所になりますか?
日本人の場合
- 住民票の写しの提出がある→日本に常居所がある
- 国外に転出~1年以内→日本
- 国外に転出~1年から5年以内→日本
- 国外に転出~5年以上→外国
外国人の場合
- 身分系の在留資格を持っている場合~引き続き1年以上→日本(ほとんどの場合、日本人の配偶者等のビザを持っていると思います)
- 就労系の在留資格を持っている場合~引き続き5年以上→日本
- 「短期滞在」「外交」「公用」のビザの場合→外国
つまり、夫婦のどちらかが日本人で、かつ日本に住民票があれば、準拠法は日本法になります。養育費や慰謝料の取り決めなど、日本法で定められていることを、離婚協議書や裁判で訴えることが可能です。
次回は、離婚成立前、別居中のビザの更新について、です。