国際離婚の手続き

外国人同士の国際離婚

私の国際離婚は、日本で手続きができますか?(外国人×外国人の場合)

実は、あまり知られていませんが、外国人同士でも、日本で離婚することができます。
夫婦が同じ国の場合は、その夫婦の国の法律により、離婚できるか、またどういう離婚手続きをしなければならないかが決まります。
協議離婚ではなく、裁判でしか離婚を認めない国や、そもそも、外国での裁判での離婚を認めない(本国における裁判手続きしか、離婚できない)国があるので、初めに大使館等に問い合わせて慎重に行うことが必要です。

 

事例①

ベトナム人夫×ベトナム人妻。日本に二人とも住んでいる。
ベトナム人妻が離婚して、ベトナムに帰ることを希望している。子どもはいない。

協議離婚⇒できない
ベトナム法は、協議離婚をすることができません。

調停離婚、裁判離婚⇒できる(ただし、出来ない場合もある)
ベトナムは、裁判所による離婚ならば可能です。つまり、日本の裁判所による調停で、ベトナム人同士が離婚出来ます。(ベトナム法を適用します)
ただし、妻が妊娠中又は子の出産後1年以内は、ベトナムの法律により離婚が出来ません。
なお、調停が成立したら、日本のベトナム大使館に行き、日本の裁判を公証してもらうようです。

 

事例②

ペルー人妻×ペルー人夫。日本在住。離婚して、日本人と結婚したい。

協議離婚⇒できない
ペルー法において、協議離婚は出来ません。

調停離婚、裁判離婚⇒できない
ペルー法では外国の裁判離婚を認めないです。つまり、日本で協議離婚や調停離婚を成立させたとしても、本国で離婚したことにならないです。そのため、とにかく初めからペルーの裁判所で離婚をするように、勧めることになってしまいます。(南米は、このようなケースが多いように思います)

 

事例③

スリランカ人夫×フィリピン人妻 日本在住(二人とも5年以上在留)
フィリピン人妻がスリランカ人夫と離婚して、日本人男性との結婚を希望している。

協議離婚⇒(場合によって)できる
夫婦の本国が違いますので、この場合「常居所」が日本だと認められれば、日本で離婚届を提出することが可能です。

※外国人が日本に常居所を認められる条件は、在留資格によってその期間が違います。
①日本人の子、日本で出生し、出国していない子 ⇒常居所として認める
②永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者 ⇒1年以上の在留が必要
③その他の就労系在留資格等 ⇒5年以上の在留が必要
④短期滞在、不法残留等 ⇒日本に常居所はない

 

調停離婚、裁判離婚⇒(場合によって)できる
夫婦の本国が違いますので、夫婦共通の「常居地」として日本が認められれば、日本法により調停や裁判を行うことができます。この場合、常居地である日本法によって、調停や裁判を行います。

 

まとめ

日本の市役所や裁判所で、外国人同士が離婚できるのは、あまり知られていないように思いますが、実際にはできます。国によって、よく行われていることもあります。
ただし、夫婦が同じ国籍か、異なる国籍かなどにより、適用する法律ややり方が異なりますので、あらかじめ調べることが必要です。

よく分からなければ、お問い合わせください。
相談料を頂くようになると思いますが、調べることは可能です。

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